・財務会計書類では真の経営管理ができない→規模感にマッチした管理会計の活用
⇒うちの会社は税理士に頼んでいるから大丈夫だと思っておりませんか?
これは税務申告をするという意味においては問題ありませんが、会社経営の実態把握と会計数値を経営に積極的に生かしていくという意味においては問題がある場合があります。
一般的に税理士は実績に基づいた財務会計帳簿を作成し、税務相談の上で税法に則り税務署へ決算書及び申告書を提出してくれます。
但し申告書を作成するまでの段階で、会社法と会計の問題、会計と税務の問題、節税の勘案、税法の適用など、仕上がった決算書は当期の業績という観点で見ると、必ずしも会社の経営実態を映しだしていない事が往々にしてあります。
従って、決算書を今後の経営判断に生かす為にはそれなりに加工をするか、要点を飲み込んで把握しておく必要があります。
又、毎月の試算表の作成についても、業績に基づいた必要な資料を会社側で揃えてから、税理士に渡し処理に入る為、どうしても計算結果を手にする頃には、時間が経ってしまっているというスピード感の問題も存在します。
このスピード感は即座に実態把握をし会社経営に生かしたい経営層と、税務申告を踏まえて決算書を正確に作成する前提で処理を行う税理士との立場のズレによります。
会計業務には、先に挙げた実績を帳簿に纏める財務会計、申告する上での税務会計、経営判断に生かす為の管理会計が存在します。
そしてその中では管理会計の導入こそが将来を見通した会社経営における指標となりえます。そして会社の真実、実態はやはり現場にあります。
日々の生産的な作業と資金の投入、そこから生まれてくる利益の把握とその推移、部門別、商品別の利益率とその変動など、リアルな現実を即座に捉える為には管理会計を導入する必要があります。
そしてそれは何も難しく考える事はなく、会社規模とリソースに応じた適切な導入こそが重要です。
まずは合理的な日報・月報の見直しからでも構いません。
管理会計を導入する最大のメリットはスピード感を持った実績の把握だけでなく、将来の利益シミュレーションを容易にし、様々な経営判断を合理的に行う事ができるようになるという事です。
経営に生かせる指標を準備して、経営管理していく事こそ成功への最重要課題です。